コールセンターの運用を支援するMKIのナレッジ・インテリジェンスサービス

2021/12/06
共創技術部 第三技術室

はじめに

お客様からのお問合せに対応するコンタクトセンターを持つ企業は、オペレータの品質向上に加え、WebページにFAQ(Frequently Asked Questions:よくあるお問合せ)を公開したり、チャットボット(AI活用)を提供することで、お客様自身での課題解決を促し素早い回答の提示を目指しています。

これによりお客様は都合の良いタイミングに自由に情報を確認できるだけでなく、電話がつながりにくいとかメールの返信がなかなかこないといった、待たされるストレスからも解放されます。

またコンタクトセンターでお客様の応対をするオペレータの側からみると、問合せ件数の削減が期待できるほか、FAQやチャットボットを活用することで回答を素早く確認し、効率良く正確な回答が出来るようになります。

このように重要な役割を持つFAQやチャットボットの内容を充実させ有効に活用するために、コンタクトセンターを運用する企業は多くの時間と労力を割いています。三井情報は、こうした課題の解決を支援するため、企業が蓄積してきた“お客様の声”(コンタクトセンターへの問合せ履歴や会話内容などの応対履歴情報)に着目しました。そして、AIと、三井情報のナレッジ(=長年のコンタクトセンター支援を通して培った経験・知見・情報・技術 )およびインテリジェンス(=顧客企業の業務を解釈・理解し、ナレッジを適合させ活用する力)を集結し、“お客様の声”をFAQやチャットボットの充実に活用するサービス「MAI MAI(MKI AI / Managed AI) Q&A生成サービス」(以下 MAI MAI)として提供しています。

MAI MAIとは

MAI MAIはオペレータとお客様との、

・メールやチャットでのやり取り
・通話録音音声・音声認識した会話テキスト
・CRMシステムに保管している応対履歴

などの応対履歴情報を基に、三井情報のナレッジとインテリジェンス、そしてAI分析を用いて、企業がもともと利用していた既存のFAQに追加、または差し替えが推奨される“FAQ候補”となるコンテンツを生成・提供するサービスです。

企業が想定した“仮想の問い合わせ“ではなく、実際にお客様から届いた”本当の問い合わせ“を利用することで、お客様が「本当に知りたいこと」が見つかるFAQを実現します。

MAI MAIの仕組み

MAI MAIは大きく以下のステップに分かれています。

ステップ0(オプション):提供データがお客様応対の録音データの場合は、AIを用いた音声認識で会話をテキスト化します。
ステップ1:MAI MAIを利用される顧客企業から提供された応対履歴情報より、AIを用いてQ&A内容を抽出します。
ステップ2:ステップ1で抽出したQ&Aを、AIを用いてグループ化します。
ステップ3:グループ化されたQ&A群を当社のナレッジで特に有用なものに絞り込み、FAQ候補を作成します。

こうして複数のAIと三井情報のナレッジにより生成されたQ&A文章は、コンタクトセンターシステムに新たな機能を追加することなく、既存のFAQシステムに登録したり、或いはチャットボットの学習データとして活用いただけます。

 

■MAI MAIの仕組み

AIの効果を最大限に引き出す三井情報のナレッジとインテリジェンス

前述の通り、MAI MAIは複数のAIを用いることで、音声・テキストなどの形式を問わず、膨大な量のデータを短期間で分析することを可能にします。しかし、より精度の高いFAQ候補を生成するには、私たち三井情報のナレッジ(=長年のコンタクトセンター支援を通して培った経験・知見・情報・技術 )とインテリジェンス(=顧客企業の業務を解釈・理解し、ナレッジを適合させ活用する力)が欠かせません。

例えば、AIから出力されるデータはインプットデータの精度・粒度に左右されます。(詳しくは先のコラム「データドリブンな意思決定とその難しさ」をお読みください)私たちは、お客様の業務や課題を理解したうえで、AIへインプットするデータの選定を行い、さらにはアウトプットされたデータの傾向分析、Q&A群の絞り込みなど、AIの効果を高める様々な取組みを行っています。

また、問い合わせ応対やFAQ作成に対するアドバイス、現状のFAQを分析したレポートの提供などAI分析とは離れた部分も支援することで、MAI MAIの利用による価値の最大化に努めています。

おわりに

MAI MAIを担当するチームでは、FAQシステム構築の経験豊富なシニアからチャットツールに慣れ親しんだ若手まで幅広い年齢層、かつ、コンタクトセンターシステムからERP、クラウド、ネットワークまで多様な技術分野の知見を持つメンバーが、それぞれのナレッジとインテリジェンスを持ち寄り、より良いサービスの提供を目指しています。

今年10月には、これまでチャットボットを利用していなかった企業向けに、MAI MAIと組みあわせて利用できるAIチャットボットの提供を開始するなど、MAI MAIはこれからも成長していきます。*1

三井情報は、コンタクトセンターで行われる日々の応対内容という貴重なデータを活用することで、これからもコンタクトセンター業務の効率化や品質の向上を支援していきます。

 

*1 「三井情報、コンタクトセンターの業務効率化を支援する『MAI MAI』にAIチャットボットを追加」 2021/10/26(三井情報株式会社)

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